最終兵器「あんた口臭いよ」

もし、皆さんの身近人の口臭が、生ゴミのような匂いを発していたら、「歯周病」の疑いをかけてあげて下さい。もちろん、「あんた口臭いよ」とは言いにくいでしょうから、「最近、歯科へ行った?」などといって、なんとなく、歯医者さんの話題を振ってみる事も良いかもしれません。デンタルケアの話から、それとなく、歯医者さんへ定期検診に行きたくなうような気持ちを刺激するといったようなオブラートに包むような方法はいかがでしょうか?それでも、うまく、伝わらなかったら、仕方がないので、「あんた口臭いよ」とストレートに告知してみるのもアリですが、そこは、人間関係を温厚に保つ意味も含めて、「歯周病」の話をしてみるのはいかがでしょうか?

「歯周病」は、40代以上の人々の8割ほどの人が発症しているにもかかわらず、その自覚症状が無い為に、歯医者さんへ行く時期が遅れててしまい、最終的には、大切な歯を失ってしまうような事になるから、40代を迎える前から、定期的に歯科でのクリーニングや、検診が必要なのだというような事を、さりげなく伝えてみてはいかがでしょうか?これでも、当の本人が歯科検診に興味をもたないのであれば、認知症の話題を持ち出してみてください。認知症と、歯周病は、人間のメカニズムの根深い部分で結びついていて、歯周病の予防を怠ると、認知症の発生リスクが、高まるといったようなデータが出ているのだというような説明をしてみて下さい。誰しもが、健康で長生きが夢でありますし、歯科検診が認知症予防につながると聞いたら、おもむろに歯科検診に出掛けたくならないでしょうか?それでも、デンタルケアに興味をもってもらえなかったら、仕方がないです。「あんた口臭いよ」の一言をお見舞いしてみましょう。その一言で、歯科検診に出向いた友人から、あの時の勇気ある一言をありがとうと、後々に、お礼と菓子折りが届いたら、本物の友人になれるかもしれません。

健康は口内環境のバランスから

皆さんが、風邪をひく全長として、喉の痛みや鼻水、くしゃみなどの症状が現れ始めるのではないでしょうか。喉の痛みなどが発生するのは、喉に炎症が起こっているシグナルになるのです。これは、お口や喉の中に住み家をもっている、細菌などが、炎症を起こすと言われています。お口や喉には、常に細菌がいるのですが、このような細菌は、「常在菌」などと呼ばれています。このような「常在菌」が、免疫力など、体力の弱っている時に、身体の中で暴走しはじめ、喉に炎症を与え、さらに身体の奥まで入っていこうとするのです。常日頃から、体力を付け、免疫力を高めるような生活を心掛ける事が重要ですが、お口の清潔を保つことも大変重要なポイントです。お口の中の「常在菌」には、「悪玉菌」と「善玉菌」がいるのですが、常に「善玉菌」が優勢であると、「悪玉菌」は、炎症を起こすなどの悪さは行わないのです。ですが、逆に「悪玉菌」が増えてしまうような環境を、お口の中に作ってしまうと、「悪玉菌」が暴れ出し、喉の炎症が痛みとなって現れてくるのです。毎日の歯磨きは、歯の健康の為だけではなく、皆さん自身の健康を支えてくれる大変重要な予防ケアであるのです。また、毎日の歯磨きにプラスαとして、定期的に歯科クリニックなどで、お口の中の専門的なクリーニングを行う事で、快適な口内環境を保つようにしましょう。

洗ロ液の使い方


洗ロ液は、口に含んですすぐことで、口内を清潔に保つ効果があります。口内を爽やかにするだけではなく、虫歯や歯周病を予防できるもの、口臭を減らすものなど、その効果はさまざまです。ただし、あくまで歯磨きの補助として使うものですので、歯磨きの代わりとして使うことはできません。普段の生活の中では、眠る前に口内を清潔にしたいとき、リフレッシュしたいときに多く使われています。歯磨きのできない非常事態などにも、あくまで繋ぎとして使うことができます。洗ロ液は、物によっては刺激が強いため、苦手意識を持っている人もいるかもしれません。しかし最近では、低刺激のものや子どもでも使えるもの、ノンアルコールの成分の洗ロ液も市販されています。災害時にも使えますので、検討してみても良いかもしれません。
洗ロ液と似たものに、液体歯磨き粉があります。大きな違いは歯ブラシを使うか使わないかというところにあります。洗ロ液は「口をすすぐもの」ですので、歯ブラシは必要ありません。一方、液体歯磨き粉はあくまで歯磨き粉の一種ですので、歯ブラシを使って磨かなくては意味がありません。
洗ロ液が活躍する場面のひとつとして、妊娠期が挙げられます。妊娠期はホルモンバランスが変化しているため、虫歯や歯周病になりやすい時期とされています。特に歯のケアをしっかり行わなくてはなりません。しかし、人によってはつわりの影響で、歯ブラシを口に入れられないという人もいるそうです。その時には無理をせず、洗ロ液ですすぐという方法がおすすめです。口をすすぐことでリフレッシュができますし、刺激の少ないものであれば口内を傷つけることもありません。あくまで普段の歯磨きのプラス要素として、生活に取り入れると良いでしょう。

医薬部外品の歯磨き粉

一般的なスキンケア用品などは、医薬品、医薬部外品、化粧品の三種に分かれています。医薬品は、病気や怪我などの「治療」を目的としています。厚生労働省によって定められており、有効成分から効果が期待できます。病院で処方される薬や、薬局で買う風邪薬などが該当します。医薬部外品は、治療の目的ではなく、防止や衛生を保つために作られています。厚生労働所が定めた有効成分を決まった分量で配合しており、薬事法の下で、成分や用法、安全性などが特に厳しく規制されています。日常的な不快感を緩和する入浴剤や、肌荒れを防止するための薬などが該当し、医薬品と比べて作用は穏やかですが、何らかの効果を発揮します。安全性が高く、従来の化粧品に薬用成分を加えたものも医薬部外品として扱われます。化粧品は、医薬部外品と比べて効果が緩やかで、清潔や美化などが目的とされています。薬用ではないため「にきびを防止する」などの効果をパッケージに記載できません。

歯磨き粉はこのうち、化粧品か医薬部外品として分類されています。特に記載のない歯磨き粉は化粧品、ここに薬用成分を配合した薬用歯磨き粉が医薬部外品とされるそうです。薬用の歯磨き粉の場合は、抗炎症効果や殺菌効果があるものが一般的です。歯槽膿漏や歯肉炎の予防などに効果があり、歯科やドラッグストアなどで購入できます。他にも虫歯の抑制に効果のあるフッ化ナトリウム、着色汚れを防止しやすいポリエチレングリコールなど、成分によっても効果は変わってきます。医薬品か医外部薬品かは、パッケージなど分かりやすい場所に必ず記載されています。自分の目的に合ったものを購入し、迷った場合はすぐに歯科に相談をしましょう。

子供用の歯磨き粉

子どもの歯磨きにおいて、歯磨き粉はどのタイミングで使い始めれば良いのでしょうか。まず、歯磨きを開始したばかりの時は、歯磨き粉は必要ありません。離乳食の頃は、虫歯の原因となり得る糖度の高いものをあまり食べていないからです。逆に、歯磨き粉を飲み込んでしまう悪影響が考えられますので、うがいができるようになってから使うと良いそうです。歯磨き粉を少しずつ付けて磨き、慣れていないうちは、最後はガーゼなどでしっかりと拭き取るようにしましょう。歯磨き粉は「甘い」と感じることがありますが、これは「サッカリンナトリウム」などの成分が含まれているためです。他にも子どもが抵抗を感じないよう香料なども含まれています。当然ながら砂糖は含まれていませんので、安心して使用できます。

子どもでも、トマトジュースなどから歯の着色が起こります。歯磨き粉を付けない歯磨きだけでは落としきれないこともありますので、適量の歯磨き粉で綺麗に汚れを落としましょう。また、歯磨き粉の成分には、歯に対する有効成分が含まれているものも多いそうです。汚れを落とすことはもちろん、虫歯や歯肉炎の予防も行えます。

歯磨き粉はペースト状のものが多いですが、中にはジェル状やペースト状のものも存在します。ジェル状の歯磨き粉は、研磨剤が入っておらず、フッ素をはじめとする有効成分が浸透しやすくなっています。いつも通りに歯磨きをした後に、ジェル状の歯磨き粉で仕上げをすることが望ましいそうです。ペースト状の歯磨き粉は、その名の通り粉状で、発泡剤や研磨剤が汚れを落とします。ペースト状の歯磨き粉と比べてどちらも汚れを落とす力は低いですが、洗い流す必要がないので、うがいが苦手な子どもには向いていると言えます。

噛み合わせの問題

噛み合わせの悪さは、歯並びや親知らず、虫歯の治療、他にも、寝ている間に歯ぎしりや食いしばりをしてしまう、頬杖をつくなどの不自然な姿勢を取る習慣があるということが原因になっていることがあります。

特に姿勢に関しては、環境が変わって起こることも少なくありません。例えば、デスクワークが増えて間違った姿勢で長時間過ごしてしまう、妊娠をしたことで普段の姿勢が変わったなどです。ゆがんだ姿勢で長時間を過ごすと、下あごの位置が微妙にずれていて、噛み合わせに影響するとされています。ずれた噛み合わせのまま食事をすると、噛む力が不均一になってしまい、あごだけでなく、肩や首にも負担を掛けてしまいます。ひどい場合には耳鳴りやめまいなどの症状が出ることもあるそうです。また、噛むことは瞬発力にもつながります。何か瞬間的な力を出す時に、人は自然と奥歯を噛みしめることがあります。特にスポーツ選手など、瞬発力が必須になっている人は、歯の治療に気を遣っているそうです。力を出すときに噛むということは、噛む力がなければ力を出しにくくなります。

また、噛み合わせが悪いことで、歯の寿命を縮めてしまうことも考えられます。逆に、歯のバランスが悪いことで噛み合わせの悪さにつながることもあるそうですので、歯の治療と合わせて顎の治療も行っていかなくてはなりません。

噛み合わせは、数ミクロンレベルのズレであっても少しずつ大きくなっていき、最終的には体に悪影響を与えてしまいます。無意識の癖や習慣から引き起こされることも多いため、自覚症状を持ちにくい部分とも言えます。何か影響が出てから治療を行うのではなく、定期的な健診を行い早期の発見に努め、悪い癖を正していく必要があると言えるでしょう。

歯磨き粉の歴史

人間が歯を磨くようになったのは、約1万年前からと言われています。紀元前1500年以上前の古代エジプトの記録にも、歯磨き剤の処方が見られたそうです。歯を磨く木である「歯木」が仏教と共に日本に伝来したとされ、爪楊枝の原型となる房楊枝を使って歯の手入れを行っていたそうです。日本で歯磨き粉(歯磨き剤)が導入され、商品化をされたのは1643年、江戸時代の初期とされています。塩や貝殻の粉末を混ぜた粉状のものだったため、歯磨き粉と呼ばれるようになりました。明治21年には練り歯磨きが発売されましたが、粉である歯磨き剤の印象が強く、現在でも「歯磨き粉」と呼んでいることが多いそうです。

歯磨き粉の多くは、ミントの味が付けられています。ミント味はリフレッシュ感があり、歯磨き粉との相性は抜群です。歯磨き粉は、口内の汚れを落とし、歯や歯茎の健康を守るためのものです。同時に、口内をすっきりさせる効果もありますので、適度な刺激と爽快感があるミントが採用されているそうです。子ども用の歯磨き粉は、ミント味では刺激が強いため「いちご味」「グレープ味」などの、甘い香りと味のものが販売されています。味を見ると砂糖が含まれているように感じますが、歯磨き粉の甘み成分は「サッカリンナトリウム」を使って調整されています。他にも、グリセリンやソルビットなどの香料も甘みを持っており、歯磨き粉の苦みや渋みの成分を緩和して、味を調える効果を持ちます。もちろん、糖分として体に影響はありません。味を整える成分は、子ども用の歯磨き粉に限らず、大人用の歯磨き粉にも使われているそうです。大人用の歯磨き粉に移行する前に使う、刺激の少ないタイプも多く市販されていますので、段階的に慣らしていくのが良いでしょう。

歯石の色

歯石は、歯についたプラーク(歯垢)が石灰化をしたものを指します。歯と歯茎の間の境目に発生しやすく、凹凸ができるために細菌が付着しやすくなります。プラークが石灰化するのは、唾液に含まれるミネラルなどの成分が反応するためです。そのため、唾液腺の近い下の前歯の内側、上の奥歯の外側に歯石ができやすいと言われています。歯垢のうちであれば正しいブラッシングで落とせますが、歯石の場合は歯科で取り除くしかありません。定期的な健診を行い、早めの予防と処置が大切です。

歯石は一般的に、白や灰白色をしています。白系のものは歯垢が原因となっており、歯肉縁上歯石とも呼ばれているそうです。年齢などを問わず、条件さえ揃えば全ての人の口内に存在します。放っておけば病気を引き起こす可能性はありますが、歯石が付着した段階では、歯科で取り除くことで治療は終わります。しかし、中には「黒い歯石」も存在し、こちらは早急に対応の必要がある危険なものです。

歯石が黒くなる場合、血液が混ざっていることが原因で、歯肉縁下歯石と呼ぶこともあるそうです。多くの場合は歯周病などの歯茎のトラブルが原因となっています。歯茎の奥深くから血液が溜まり始めますが、初期のうちはまだ表面に出てきていないために白い歯石の状態です。そのため、歯石が黒くなるほど目に見えて血液が見える状態というのは、「歯周病がかなり悪化している状態」とも言えるでしょう。歯周病は、放っておけば周囲の骨を溶かしてしまうので、歯が抜け落ちてしまうことも珍しくありません。黒い歯石自体は、白い歯石を取ることと同じく歯科で取り除くことができます。問題は、黒い歯石が原因の方ですので、早急な対応を行いましょう。

歯ブラシの構造

歯ブラシは、自分の口や歯の大きさ、歯並びや歯茎の状態に合わせて選ぶ必要があります。実際に持って見て手にフィットするかどうかも選ぶ基準となり、何本も持っておくことでさまざまな部分に対応できます。

大きく分けて、歯ブラシはハンドル部分、ヘッド部分、ネック部分の三種類から成り立っています。ハンドル部分は、手で握る部分を指します。多くの場合はプラスチック製で、軽く握った時に動きやすい形状になっているそうです。ヘッド部分は、口内に入れる部分で、ブラシがついています。サイズもさまざまで、毛先のカットの仕方も多くの種類があります。ネック部分は、ハンドル部分とヘッド部分を繋いでいる首にあたる部分です。ブラシ圧を正しく伝えられるよう、バランスを考慮してつくられています。

毛の硬さは、多くのものが「ふつう」とされていますが、他にも「やわらかめ」や「かため」が存在します。柔らかな毛先は、歯茎から出血が見られるなど、優しくブラシを当てたい人向けです。また、強く磨いてしまう癖がある人も、柔らかめのものを選ぶと良いでしょう。しっかりした磨き心地が好きな人は、硬めの毛先がおすすめですが、磨きすぎないよう注意しましょう。他にも動物の毛を使った高級なものなど、毛先だけでも種類があるので、自分に合ったものを選びましょう。

歯ブラシは、磨く場所によって使う種類を増やすことも効果的です。例えば歯の面の部分を大きく磨く場合にはヘッドが大きく硬めのもの、奥の届きにくい場所を磨く場合にはヘッドが小さく小回りのきく物を選びましょう。一般的な歯ブラシは、いずれも一定の規格をクリアしたものが市販されています。どれも品質が保証されているので、安心して使用することができます。

噛むことと歯について

食事をすることは、噛むことがセットとなっています。食べ物のおいしさは、よく噛んで食べることで引き出されるそうです。噛むことで食べ物の味の変化や香り、歯ごたえや舌触りなどの食感を楽しむことができます。特に学童期は生え替わりが起こりますので、食べ物を噛みにくくなります。噛む回数を減らさないようしっかりとした指導を行うことが大切です。また、よく噛んで食べることで食べ物が小さくなりますので、消化が良くなり、胃腸へ負担をかけることもありません。他にも唾液の分泌量も増えますので、口内の自浄にもつながるそうです。あまり噛まずに物を食べてしまうと消化に悪い、口内が不衛生になりやすいという反対のことが起こるのはもちろん、満腹感を感じにくくなるそうです。胃に食べ物が入ってから満腹感を感じるまでに、20分の時間が掛かるとされています。よく噛んでゆっくりと時間をかけることで、食事の満足度も上がります。

年齢と共に歯の本数が減っていき、硬いものを食べることが億劫に感じる人も増えるそうです。やわらかく噛まずに飲み込めるものは食事が楽ですが、顎の力や食べることの満足感を減らしてしまうことになります。食事の偏りから栄養バランスが崩れることも考えられるでしょう。歯が20本以上残っていれば、ほとんどの食べ物をおいしく食べることができると言われています。抜けた部分は入れ歯を利用するなどをして、咀嚼の回数を増やすようにしましょう。日本人の咀嚼回数は、戦前に比べて半数ほどに減ったと言われています。これはハンバーガーなどの外国のやわらかい食べ物が入ってきたことで、噛む必要が低くなったことが理由と言われています。かたい食材を選ぶなどの工夫をしながら、意識的に咀嚼回数を増やしていく必要があると言えるでしょう。